わかりやすくて付き合いやすい五十路女は最高だ

ストレートに迫ってくるところが若い女との大きな違い

PCMAXで知り合った独身の五十路女と付き合っている。独身と言っても、いま配偶者がいないだけで、10年ほど前に離婚している。離婚の原因が彼女の不倫らしいから凄い。私は結婚には向いていないから、と自嘲的に笑う。正直なところがいい。言いたいこと、欲しいもの、したいことをストレートに口にするところがわかりやすいし、20年年上にしては、いじらしく思える。

若い女はこうはいかない。若い女は心の内にあるものを簡単に外に出さない。男を試すように思わせぶりな態度を示し、私が欲しかったら私の中にあるものを引き出してみて……みたいなのりで迫る。そこに女を口説く醍醐味があるのだという輩もいるが、俺はいやだ。いっぺんわかりやすい五十路女を知ったら、若い女は避けたくなる。

「あなたが欲しいから私の自由にさせて」

これが五十路女だ。

これ飲み終わったらセックスだからね、とビールを注ぐ五十路女

彼女を口説いたことは一度もない。サイトで俺を逆ナンしたのは彼女だし、会ったその日にラブホに誘ったのも彼女だ。自分はパートナーを見つけてセックスを楽しむためにPCMAXに来たと言い、それ以外のことはあなたに要求しないと明言した。

「結婚とかせまったりしませんか」

どことなく寂しそうにも見えなくはないので、そんな懸念もあったが、彼女は鼻先でふんっと笑った。

「私は結婚しないほうが世の中のためなのよ」

「そうなんですか」

「まあ、それで儲かる人もいるんだけどね……私立探偵とか、弁護士とか家裁の裁判官とか。あはは」

屈託のない笑みを浮かべ、つくねを食べる。

時計を見ると20時。その居酒屋も会社帰りの客が増えてきた。

「もうそろそろ良い時間ですね」

「これ飲み終わったらセックスだからね」

とビールを注ぐ五十路女。

俺はストレートに胃にせまるビールを飲み干すと、ブラウスが覗いた豊乳の谷間をちら見した。