プロの女かもしれないが、勇気を出して会いに行った結果

誘い方がどう見てもプロの女だった

すごくエロい女をYYCで見つけた。髪はマロンブラウンのセミロングで、目元がぱっちりした色白。唇の赤がまぶしく、胸もふっくらしている。その女が少し首をかしげて俺にむかって妖しく微笑んでいる。

（うう……この女が欲しい）

だが気をつけておく必要がある。出会い系にはごくたまにプロのデリ嬢が紛れ込んだりしているものだ。彼女は出会い系の場を商売に利用しているだけ。そんな女に引っかかったら、セックスはできるが金を取られて終わりなのだ。

俺もそういう最悪の事態を想定し、慎重に構えた。誘い文句も怪しい。

＜まったりした素敵なひとときを過ごしませんか＞

＜あなたの疲れを癒して差し上げます＞

どう考えてもプロの女ではないか。

ためしにメールしてみた。

「どんな風に癒してくれるの」

「そりゃ決まってるじゃない……男と女のアレよ」

わたしがデリ嬢だって？　失礼しちゃうわ

ますます怪しいが、その魅惑に引き寄せられ、とりもちにかかった鳥のように身動きが取れなくなっている自分もいた。進みたくないが、戻りたくもない。少々痛い目に遭ってもいいから先に行ってみたい。そんな思いも沸いてくる。

「会ってくれますか……貴女とまったりとした素敵な時間を過ごしたいです」

とメールしてしまった。

女は早速待ち合わせ場所を指定してきた。Googleのストリートビューで見ると、そこから歩いて7分ほどの場所にラブホがある。

（プロ確定だな……）

俺は金を下ろしておこうと考えた。こうなったら出血覚悟。金出してもいいから、その女を抱いてみたい。

どのくらい取られるだろうか。

通常、デリ嬢と遊ぶときは安く見積もってもホテル代別で60分15Kくらいだろう。それに本番行為がつくとなると、プラス5Kから10Kといったところか。ホテル代とあわせて25K～30Kは見ておいた方がいい。

俺は銀行に寄ってからその待ち合わせ場所に向かった。

女は香水の匂いをぷんぷんさせていた。色っぽい仕草で振る舞い、いきなりホテルで休憩したいと言い出した。俺はすぐに料金を聞いた。

すると、女は目を丸くして眉をひそめ、そして大声で笑ったのである。

「わたしがデリ嬢だって？　失礼しちゃうわ」

彼女はただのスケベな女に過ぎなかった。

男を誘惑することでストレス解消しているらしかった。

それからホテルでセックスした。もちろん無料で。

この件を出会い系の猛者たる友人に話した。友人の話では、出会い系には確かにデリ嬢が紛れ込む可能性があるが、めったにない話だと言う。彼も出くわしたことはないらしい。

「仮にプロに出会ったら、交通事故に遭ったと思ってあきらめるしかないな」

出会い系でプロのデリ嬢に出会うのは、交通事故に遭う確率とほぼ同じらしい。

これで安心してエロい女に会える。