無関心なフリして本当は楽しんでいる女のマスターベーション

オナニーのことをあえてマスターベーションと表現した

20代女性の90%以上はオナニー経験者だという統計がある。

この数字がずっと頭の中にあった。20代女性を見かけるたびに「この女性は90%の確率でオナニーしている（したことがある）」と改めて数字をかみしめ、妄想にふけるのだ。

―どんな風にオナニーしているのだろう。指だけかな。おもちゃも使うのかな―

最近PCMAXで26歳になる歯科衛生士と知り合ってつきあっているが、当然その女に対しても俺流の妄想を抱き、初セックスのあとに口にしてみた。

「きみもマスターベーションとかするの？」

率直にオナニーと言えばいいのに、なぜかマスターベーションと表現した。オナニーというと性的趣味を連想するが、マスターベーションはやむを得ない生理的営みのように聞こえる。だが女は予想通り有耶無耶にした。

「してないよ……そんなこと。男じゃあるまいし」

そういう答えが返るのは想定内だった。

してる人いるんじゃない？　私はしないけど

女のセックスは濃厚だった。乳首を舐めただけで腰を跳ねて感じるし、クリトリスでも舐めようものなら一気に絶頂寸前まで行ってしまう。イキやすい女で、初セックスというのにクリイキ、中イキ両方を実践してみせた。この感度はなまじセックスだけで身につくものではなく、日頃のマスターベーションによる鍛錬が必要なのは、俺も経験的に知っている。

「本当にしないの？　マスターベーション」

「しないよ」

と腹に飛び散った俺の精液をティッシュで丁寧にふき取る。

「してる人いるのかな、女で」

「いるんじゃない」

「どんな風にするのかな」

どうしてもそのことを女の口から言わせたい。嘘でもいいから。そのときも、俺の妄想は膨らんだ。

「いろいろ、方法あるんじゃない、そりゃ」

「どんな方法？」

「もう……知ってるくせに。あなたが考えているような方法よ」

まるで経験者のような言い方をする。

20代女性の90%以上はオナニー経験者。

セックス感度抜群の彼女がしていないわけがない。